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英語試験受験者に必須のシャドーイング完全ガイド|英語リスニング力を根本から伸ばす練習法

英語のリスニング力を本気で伸ばしたいなら、聞くだけの勉強では不十分です。

シャドーイングを普段のリスニング練習に取りいれれば、耳と口を同時に鍛えることで聞き取りと発音を一気に向上させることができるでしょう。

特にTOEFLやIELTS、TOEICなどの英語試験受験者にとっては、シャドーイングで英語力を底上げすることが重要になります。

 

本記事では、初心者でも実践できるシャドーイングのやり方、効果を高める教材選び、段階的な練習ステップ、アクセント矯正のポイントまで、詳しく解説します。

今回の内容はYouTube動画でもまとめているので、「動画で学びたい!」という方は下記からチェックしてください。

「しっかり勉強したい!」という方は、この記事で徹底解説しているので、ぜひ最後まで読んでシャドーイングをマスターしましょう!
それでは詳しく解説していきます。

本題に入る前に正木先生って?

正木先生

正木伶弥

・TOEFL120点、IELTS9.0、英検1級

・日本生まれ日本育ち

・高校と大学はイギリス

・大学在学中に英語指導資格であるCELTA取得

・IDP公式IELTS教員研修終了

・British Council 認定 IELTS Expert

・著書2冊出版

日本人で数少ないブリティッシュ・カウンシル公認のIELTS Expertである正木伶弥先生。

IELTS9.0・TOEFL満点・英検1級の実績がある正木先生が、自身の経験をもとにIELTS勉強法を語ってくれます。

 

英語学習のシャドーイングとは?その効果と目的

シャドーイングとは、英語の音声を聞きながら、わずかに遅れて同じ内容を声に出す練習法です。
まるで影(シャドー)が本体を追いかけるように、お手本の発話を真似することからこの名前が付きました。

シャドーイング最大の特徴は、「聞く」だけでなく「話す」動作を同時に行う点です。

単なるリスニング練習では耳だけが使われますが、シャドーイングでは口や舌、喉の筋肉まで総動員します。
その結果、音の細かいニュアンスやリズムが体に染みつき、自然なスピードで話される英語にも対応できる耳と口を育てることができます。

 

リスニング力向上のメカニズム

多くの日本人が英語を聞き取れない大きな理由は、「音を正しく認識できていない」ことです。英語には、日本語には存在しない音が多くあります。例えば、/r/ と /l/ の違いや、/θ/(think の th 音)など、日本語の音体系にはない音は、耳に入ってきても脳がうまく処理できません。

さらに、英語では単語同士がつながって発音されるリエゾンや、音が抜け落ちるリダクションが頻繁に起こります。例えば “want to” が「ワナ」、”going to” が「ガナ」と聞こえる現象です。これらは学校の教科書英語にはほとんど出てこないため、初めて聞くと全く別の単語に聞こえてしまいます。

シャドーイングの大きな効果は、この未知の音やつながりを自分の口で再現しながら耳に入れることです。聞いて真似して発音することで、その音は「知らない音」から「自分が出せる音」に変わります。そして人間は、自分が出せる音を聞き取るのが得意になります。

例えば、最初は /l/ と /r/ の違いが分からなかった人も、何度も発音して口の形や舌の位置を体に覚え込ませるうちに、聞いた瞬間に区別できるようになります。これは単なる耳の訓練ではなく、「耳と口の回路を同時に作る作業」です。発音の再現性が上がれば上がるほど、聞き取りの精度も比例して向上していくのです。

 

試験対策にシャドーイングを取り入れるメリット

TOEICやTOEFLなどの試験対策では、特定の形式や出題傾向に合わせた練習が行われます。しかし、これはあくまで「テストで点を取るための訓練」であり、総合的な英語力の底上げには直結しない場合があります。一方、シャドーイングは試験の種類を問わず、英語そのものを聞き取る力を養います。日常会話や海外ドラマ、ニュースなどにも対応できるようになるため、短期的な試験対策だけでなく、長期的に使えるスキルとして非常に価値があります。

 

シャドーイングをするメリット

耳と口を同時に鍛えられるシャドーイングは、リスニングとスピーキングを同時に鍛える数少ない練習法です。
耳だけを使う聞き流し学習と違い、口や舌、喉の筋肉まで動かすため、音の記憶が強く残ります。結果として、「聞き取れたけど言えない」という状態が減り、「聞けるし言える」に変わります。

さらに、英語は発音できる音ほど聞き取りやすくなる特性があります。

シャドーイングで正しい音を繰り返し口にすることで、自分の発音がクリアになり、同時にその音を耳が認識しやすくなります。

特に、日本語にない音や速い会話での音の省略(リダクション)にも強くなります。

 

英語のスピードに慣れることができる

多くの学習者が苦手なのは、ネイティブスピードでの会話。
シャドーイングでは実際の会話と同じスピードで発話を続けるため、自然と速い英語に慣れます。

日常会話や英語試験の長文リスニングや海外ドラマのセリフも、息切れせずに理解できるようになります。

英語の耳と口を鍛えれば、TOEICやTOEFL、IELTSなど、形式の異なる試験でも効果を発揮します。さらに、日常会話や海外旅行、ビジネス英会話など、実際の英語使用場面でも即戦力になります。

 

シャドーイングの効果を最大化する教材選びの目安

シャドーイング用の教材は、簡単すぎても難しすぎても効果が薄くなります。
例えば、短い自己紹介の音声ばかりではすぐに慣れてしまい、脳が新しい情報処理をしなくなるため成長が止まります。逆に、ニュース番組のようなスピードと語彙量の多い音声では、最初からついていけず挫折しやすくなります。
理想は「スクリプトを見ながら、やっと音声に追いつけるレベル」。最初の段階で全く発話できなくても問題ありません。
字幕を目で追うだけで精一杯という状態が、実は伸びやすい絶妙な難易度です。

飽きずに続けられるテーマを選ぶことが重要

シャドーイングは同じ音声を数十回繰り返し聞く練習です。
そのため、題材への興味が続くかどうかが成功の鍵になります。好きな俳優のインタビュー、趣味や関心事に関するドキュメンタリー、印象的な映画のワンシーンなど、自分が自然に「また聞きたい」と思える素材を選びましょう。
感情が動く瞬間は記憶に深く刻まれます。例えば、感動した映画の台詞や面白い会話は、何年経っても覚えていることがありますよね。

この効果を英語学習に利用することで、フレーズや単語が長く記憶に残ります。
英語テスト教材の音源以外も積極的に使っていこう
シャドーイングでは、TOEICやTOEFLの公式素材に限定する必要はありません。
むしろ映像付きの素材や、背景音が入った自然な会話の方が効果的な場合があります。例えば、映画のシーンでは登場人物の表情やジェスチャーが、セリフの意味を補強してくれます。

後からスクリプトを見ながら発話練習をするときも、その映像の記憶が助けになり、内容を思い出しやすくなります。音だけで覚えるよりも、映像や情景と一緒に記憶した方が定着率が高く、結果的に発音やリズムの習得もスムーズになります。

 

シャドーイング練習に効果的な4ステップ

ステップ1|字幕を目で追うことから始める

まずは音声を流しながら、スクリプト(字幕)を目で追うだけの練習です。
この段階では発話はしなくても構いません。目的は、耳で聞く音と文字情報を一致させることです。最初はスピードについていけず、目で追うだけで精一杯かもしれませんが、それでOKです。慣れてくると、どこで区切られているのか、どの単語が強く読まれているのかといった英語のリズムが少しずつ掴めてきます。

 

ステップ2|“ごにょごにょ”でリズムを真似る

次の段階では、完全な発音でなくても構いません。
単語の一部が抜けても、もごもごとついていくイメージで、音声のリズムと抑揚を真似します。例えば、ネイティブが上げ調子で話す部分では自分も声を上げ、間を置くところでは自分も間を取ります。正しい発音よりも、「遅れずについていくこと」と「話の流れを体に覚えさせること」が目的です。

 

ステップ3|発音をクリアにしていく

リズムに慣れたら、今度は発音の正確さを意識します。スクリプトを見ながら、単語の頭や語尾、つながる音(リエゾン)などを丁寧に再現します。このとき、舌の位置や口の形にも注目してください。例えば “world” の /r/ や /l/ は日本語にない音なので、舌を意識的に動かす必要があります。繰り返し練習することで、耳がその音を捉えやすくなります。

 

ステップ4|オーバーラッピングで同時発話

最後のステップは、音声と同時に発話する「オーバーラッピング」です。これは「遅れて追う」シャドーイングより難易度が高く、発音・スピード・抑揚をすべて揃える必要があります。ここでは可能な範囲で話者のアクセント(アメリカ英語、イギリス英語など)も真似してみましょう。実際の会話に近いスピードで練習することで、試験や日常会話でもスムーズにやり取りできる力が身につきます。

 

アクセント再現と発音矯正のポイント

「発音できる音しか聞き取れない」という事実

英語学習でよく言われるのが、「人は自分が発音できる音しか正しく聞き取れない」ということです。例えば、日本語には存在しない /r/ と /l/ の区別や、/θ/(think の th 音)は、発音方法を知らないと正しく聞き取るのが難しいです。
シャドーイングで発音を真似すると、その音が脳に「知っている音」として登録され、聞き取りやすくなります。つまり、発音練習はリスニング力アップにも直結するのです。

英語試験ごとに異なるアクセントの傾向

受ける試験によって、よく出題されるアクセントには傾向があります。
例えば、TOEFLは北米(アメリカ・カナダ)英語が中心ですが、IELTSではイギリス・オーストラリアのアクセントも頻繁に登場します。TOEICはアメリカ、イギリス、オーストラリア、カナダと幅広く出題されます。
自分が受ける試験に合わせて、事前にそのアクセントの音源で練習しておくと、本番で聞き取りやすくなります。

ネイティブからのフィードバックの価値

独学でも発音はある程度改善できますが、細かい癖やアクセントの違いは自己判断では気づきにくいものです。
ネイティブや英語レベルの高い人に練習を聞いてもらえば、「この音が弱い」「ここはもっと舌を動かす」といった具体的なアドバイスがもらえます。
また、試験や目的に合わせたアクセントの教材選びもサポートしてもらえば、効率が大幅にアップします。

まとめ

シャドーイングは、英語のリスニング力を根本から鍛える効果的な方法です。単なる聞き流しと違い、耳と口を同時に使うことで音の再現性が高まり、聞き取れる音が増えていきます。

シャドーイングは一朝一夕で効果が出る練習ではありません。しかし、正しい手順でコツコツ続ければ、試験にも日常会話にも通用する「聞ける耳」と「話せる口」が必ず身につきます。

今日からでも、まずは好きな題材のスクリプト付き音声を用意して、1日5分でも実践を始めてみましょう。継続こそが、英語力向上の最大の武器です。

 

最後に

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2025/08/15

執筆者 この記事を書いた人:ryoto