TOEFL・TOEIC・英検・IELTSの違いとは?受講すべきテストの結論
日本で受けることのできる英語力試験には、様々な種類があります。
特に知名度の高い試験は、「英検」「TOEIC」「TOEFL」「IELTS」といったところでしょうか。
現在の大学入試センター試験に替わり、2020年度から大学入学共通テストが開始され、
英語教科では4技能を測るために民間の資格・検定試験を導入することが決まっています。
文部科学省が認定した7試験にTOEFL、英検、IELTSが含まれており、
日本国内の進学のために、更に多くの方が受講することが予想されます。
大学入学共通テストに認めれらている7つの試験についてはこちらから
TOEICは大学入学共通テストから徹底はしましたが、以前ビジネスマンには最もポピュラーなテストとなっています。
そこで今回は、上記4つの英語資格試験の違いを細かく比較していきます。
一概に英語力試験と言っても、上記4つの試験には、出題形式やスコア取得後の活用法に大きな違いがあります。
そして難易度や取得目的から、どの試験が自分とって役に立つのか判断することができるかと思います。
それではさっそく見ていきましょう。
- 目次 -
TOEFL、TOEIC、英検、IELTS。それぞれの違いと特徴を解説
それでは、まずは各英語試験の特徴とテスト概要を解説していきます。
就職活動に必須となりつつあるTOEIC
TOEICは、就職活動や昇進など、企業提出用の資料に多く使用されています。
このTOEICは一応、日本以外の国でも受験することが可能で、中国人や韓国人の受験者の増加傾向にあります。
TOEIC公式サイトによると、約70の企業が採用時にTOEICスコアをチェックしていると回答しています。
採用・昇進には、どのくらいのスコアがあればいいのかと疑問に思ったあなたは、こちらを確認してみてください。
英検のように級分けはなく、初級者も上級者も同じ試験を受けます。
引用:TOEIC公式
テストの概要
前半100問はリスニング、後半100問はリーディングです。
リスニングパートでは写真描写のために短い英文問題もあれば、ラジオやデパートのアナウンスなど、少し長めの音声を聞いての読解問題もあります。
リーディングパートでは語彙補充問題と長文読解問題を中心に、少し文法問題も出題されます。
小、中学生受験者激増中の英検
日本人からしたら、英検は特に馴染み深いのではないでしょうか。
英検の主な活用法としては、受験や進学の際です。
英検は、多くの教育機関で、入試における内申点の加点や試験免除を認められています。
内容ですが、一次試験前半の筆記パートでは、語彙を問う空所補充問題や長文読解問題が出題されます。
後半のリスニングパートでは、会話文や長文音声による読解問題で、全てマークシート形式です。
上位級である2級、準1級、1級では英作文もあります。
テストの概要
3級以上では、1次試験合格者のみが、2次面接試験を受けることになります。
2次面接試験では、対面で面接を行い、文章の音読や質疑応答を行います。
一次試験二次試験の両方に合格して初めて、その級を取得したことになります。
下位級である5級、4級には二次面接試験はありませんが、練習用として任意の録音式二次面接体験を行うことも可能です。
アメリカ大学出願に有効なTOEFL
TOEFLは、日本をはじめとした、英語を母国語としない国の人々を対象に実施されているテストです。
TOEFLは海外留学のための試験で、アメリカやオーストラリアなどの教育機関で入学基準として用いられています。なので、TOEFLの内容は全てアカデミック(学術的)なものとなっています。
テストの概要
TOEFLは、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの4セクションで構成されています。
TOEFLは大学出願のための英語資格です。
なので、リスニング音声に登場する会話も、講義室や学内での会話になっています。
また、TOEFLの場合は教室内の日常会話だけでなく、講義やディスカッションなどがテーマなので、学術的な内容に関する専門用語が多く出てきます。
アメリカ以外の進学や移住なら IELTS
2014年に不正が発覚して以来、イギリスへのビザ申請にはIELTSしか使えなくなりました。
TOEICやTOEFLなどETS関係の資格試験はもう一切使えないので注意する必要があります。
IELTSは世界的に見ると受験者数がTOEFLよりも多く、多くの国で進学、移住に使いことができるテストです。
実はアメリカへの進学でも徐々に使うことができるようになってきています。
テストの概要
IELTSには2種類あります。
1つはアカデミック・モジュールと呼ばれる進学用となっていて、もう1つはジェネラル・トレーニング・モジュールと呼ばれる移住用です。
それぞれ出題内容が多少違うものの、読む書く聞く話すの四技能を判定することができる試験で、TOEFLに近いイメージです。
それぞれの試験の細かな違いを比較しました
試験時間の違い
英検
5級~3級までは英語入門者である小中学生向けで、履歴書に記入できるのは一般的に準2級以上の上位級のみです。
- 準2級:計1時間半→リスニング25分、リーディング65分(ライティング無し)、プラス、一時筆記試験合格後二次面接試験6分
- 2級:計1時間50分→リスニング25分、リーディングとライティング85分、プラス、一時筆記試験合格後二次面接試験7分
- 準1級:計1時間55分→リスニング25分、リーディングとライティング90分、プラス、一時筆記試験合格後二次面接試験8分
- 1級:計2時間10分→リスニング30分、リーディングとライティング100分、プラス、一時筆記試験合格後二次面接試験10分
TOEIC
TOEICは合計2時間の試験になっていて、リスニングが45分、リーディングが75分です。
TOEFL
2019年8月よりテストが新形式に変わりました。
以前よりテスト時間が短くなり、問題数も少なくなりました。
TOEFLは合計3時間~3時間半(到着順に試験開始、終了次第退室可能)となっています。
細かく見ると、リスニングが54~72分、リーディングが41~57分、ライティング50分、スピーキング(録音)17分となっています。
IELTS
計2時間45分→ライティング60分、リスニング30分、リーディング60分、面接試験15分、(面接試験のみ別の日に改めて受けることも可能)
テスト形式の違い
英検
準会場も本会場も作文以外の筆記問題は全てマークシート形式です。
作文は鉛筆での手書きです。
ただ、英検CBTに関してはコンピューター受験で、二次面接も対面式ではありません。
作文のある級ではタイピングスピードも必要とされるため、タイピングに自信がない場合はCBTを避け、通常の英検受験をお勧めします。
TOEIC
マークシート形式のみです。
記述問題も対面面接も音声録音もありません。
TOEFL
全てをパソコン上で行うため、マークシートのように選択肢から1つ選ぶというのをパソコン上で行います。
ライティングはタイピングで行います。
なので、最低限タイピングを早く行えるスキルが必要です。
スピーキングはマイクに向かって録音です。
IELTS
マークシート形式ではなく記述式です。
スピーキングテストもマイク録音ではなく対面面接です。
東京(高田馬場)限定(2019年10月現在)でオンラインテストも行われるようになりました。
ただし、スピーキングは従来どおり面接となります。
※2019年8月現在
コンピューターで受験するIELTSは、「大学入試英語成績提供システム」を介する入試には現在採用されていませんのでご注意ください。
大学入学共通テストにおいて「ペーパーで受験するIELTS」が採用されておりますのでそちらのご予約をお願い致します。
出題分野の違い
英検
多岐に渡ります。
科学の進歩、社会環境、学生生活とあらゆる話題に触れるため幅広い語彙が必要です。
「読む」「書く」「聞く」「話す」の四技能全てが出題範囲です。
TOEIC
オフィスシーンの日常会話、と範囲がかなり限定されています。
そのため、語彙を増やす時は、TOEIC用単語集を使っての対策が有効です。
英検上位級、TOEFL、IELSTの中で最も対策しやすく短期間でのスコアアップが可能です。
「読む」「聞く」のみで、「書く」「話す」はありません。
TOEFL
大学の講義や校内での状況を忠実に再現してあるため、学校講義や教務関係の用語などを多く知っておく必要があります。
他にも、様々なジャンルの学問から問題が出題されるので、学術的な専門用語の学習も必須です。
人間学の講義やアパート探しから就職活動まで、大学生なら知っておきたい分野も出題されます。
「読む」「書く」「聞く」「話す」の四技能全てが出題範囲です。
IELTS
TOEFL同様イギリスで学んだり生活したりするために必要な表現を十分に学習して臨む必要があります。
新聞や専門誌、ホテルの広告など生活に必要ですが日本の学校ではあまり学習しない分野でもあります。
「読む」「書く」「聞く」「話す」の四技能全てが出題範囲です。
受験者数の違い
英検
2015年度受験者数:3,225,358人(全ての級の合計)
TOEIC
2015年度受験者数:2,779,300人(TOEIC Speaking & WritingとTOEIC Bridgeを含む)
TOEFL
正式には公表されていませんが、日本人受験者は約80,000人と言われています。
IELTS
2015年度受験者数:36,000人
以上、「英検」「TOEIC」「TOEFL」「IELTS」の違いについてでした。
それぞれ用途が違い、対策方法も違いますから受験する前によく確認しましょう。
ニーズ別のおすすめ試験まとめ
日本国内で使うなら英検かTOEIC
日本国内で使うなら英検かTOEICです。
教育機関では英検は多く採用されていて、入学試験や単位取得時の特別な加点を受けることができる場合があります。
日本人がTOEFLやIELTSで高得点を取得するのは非常に困難であることから高校、大学進学の推薦入試やAO入試では英検かTOEICを利用する方もいます。
企業での採用にTOEICが多いのは、スコア表示であるため細かな英語力の差を把握することが容易であるためと思われます。
ただ、もしも英検でもTOEICでも資格として提示できる場合には、自分の英語力によりどちらの方がより英語力を高く見せることができるかを考えて受けるのもいいかもしれません。
例えば、英検は1次試験中にライティング、2次面接試験ではスピーキングもあるので、ある程度のアウトプットが必要ですが、TOEICはそのどちらもないのでアウトプットが全くできなくてもハイスコアを狙えます。
逆に文章を書いたりしゃべったりは比較的できるが語彙力に自信がない、という場合は、作文で高得点を稼げる英検の方が向いているかもしれません。
また、学生時代からずっと英検を受け続けているというような場合はそのまま英検を受けておいても損はありません。
日本にいる限りはまだまだ高い認知度を誇る英検なので何かの役に立つかもしれません。
仕事関係ならTOEIC
英語を仕事に生かすことを考えているなら当然ですが、たとえ英語に全く自信がなく英語に無縁と思える業界で仕事をしていたとしても、TOEICを一度受けておくというのもお勧めします。
企業によってはスコアの要不要にかかわらず年に一度、社員全員で受験する企業もあります。
そうでない企業でもいつ「グローバル化」が進むかわかりませんから、備えておきましょう。
実際のところ、スコアそのものは大きく関係ないことも少なくありませんが、「受けたことがない」では仕事そのものに後ろ向きな印象すら与えかねません。
なので、スコアを持っておくに越したことはありません。
日本国内にいる限り英検も資格として認められる場合があります。
しかし、学生時代に英検をほとんど受けていないような場合は、社会人になってからわざわざ受ける必要はありません。
TOEICのみを受け続けましょう。
英検は年に3回しかありませんが、TOEICはほぼ毎月(年10回)受験可能です。
そのうちのベストスコアを提出すればいいので、ベストスコアを取得するまで毎月受験することもできます。
※注意点
TOEICには、TOEIC IPテスト(団体特別受験制度)と呼ばれるテストがあり、英検で例えるならこちらは準会場受験のような位置づけです。
このIPテストのスコアは正式に認められるケースとそうでないケースがあり、提出先により対応が異なりますから、受験する前に確認しておきましょう。
TOEIC公式認定証(スコアカード)には受験者の顔写真が印刷されていますが、IPテストのスコアカードには写真はありません(受験時の身分証明書の確認はあります)。
アメリカ進学ならTOEFL
英検とTOEICは、アメリカでの認知度はほぼゼロですので、TOEFLを受験するしかありません。
TOEFLは複数の受験地で月に何度も行われているうえ、申し込みは4日前までできるため受験自体は非常に便利です。
手元に送られてきたスコアのコピーを提出するのではなく、テスト協会から直接学校へスコアを郵送する必要があるため、事務処理に予想外に時間がかかるケースもあります。
少なくとも4か月前までに受験して手続きをしておきましょう。
※注意点
日本の一部の学校で行われているTOEFL ITPはスピーキングのないタイプで、以前の「紙のTOEFL」と同じ形式です。
これは日本の教育機関において日本人学生の英語力を測るために行われる模擬試験やレベル分け試験のような位置づけで、資格としては使えず、公式なスコアとはみなされません。
アメリカ以外の進学や移住ならIELTS
イギリス、もしくはアメリカ以外の国での大学進学であれば、IELTSを受験する必要、もしくは有効に使うことができます。
IELTSの受験料は25,380円と、TOEICの約4倍する上、受験地が14都市(札幌 仙台 埼玉 東京 横浜 松本 金沢 名古屋 京都 大阪 神戸 岡山 広島 福岡)しかありません。
また、身分証明書はパスポートしか認められていません。
気軽に受けられる条件が揃っていないため、必要な人しか受験しない試験ですが、他のどの資格も代用することができないので、イギリスで長期滞在ビザを申請する必要がある人は必ず受ける必要があります。
スコア換算表で難易度の比較をしてみよう
▼TOEIC×TOEFL換算表
英検の受験はしたことあるんだけど、自分ってTOEICだったら何点なんだろう?
TOEICは受けたことがあるけど、TOEFLは費用が高いし気軽に受けれない。
そんな方のための換算表です。
問題形式や試験のトピックが異なるので、換算表イコールのスコアを取得することが難しい場合もありますので、あくまでも参考に換算表をご覧ください。
▼TOEFL×TOEIC×英検 換算表
▼TOEFL×IELTS 換算表
あなたに必要な試験は?
TOEFL・TOEIC・英検・IELTSの違いを知ることができましたか?
問題形式が違えば対策方法も、必要となる勉強時間も異なります。
自分に必要で、最も適しているテストを理解し、勉強をしましょう。
■TOEFL
アメリカ大学、大学院進学
日本での大学進学(主に推薦入試、AO入試)
■TOEIC
就職、転職活動
キャリアアップ
■英検
中学校、高校入試、大学(主に推薦入試、AO入試)
■IELTS
イギリス、ヨーロッパ、オセアニア大学、大学院進学
イギリス、ヨーロッパ、オセアニア海外移住
目的に応じて、最も適しているテストを選びましょう!
TOEFL、TOEIC、IELTSのスコア、どうやって伸ばせばいいのか分からない!?
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