英検vsTOEIC、キャリアで差がつくのはどっち?就職・転職・昇進で評価される選択
「英語の資格っていろいろあるけど、TOEICと英検、どっちがいいの?」
これは、生徒さんのキャリア相談や学習サポートの中で非常によく聞かれる質問です。
実際のところ「どちらが優れているか」ということではなく、「あなたの目的に合っているかどうか」が決定的に重要。
ただ、キャリアアップや転職を考えている20代後半のビジネスパーソンにとっては、TOEICが圧倒的に有利です。
その理由はどこにあるのか? 英検とTOEIC、それぞれの特徴と、企業が本当に求めている英語力の「リアル」を徹底比較していきます。
TOEICと英検を取得する目的
学生時代に馴染みのある「英検」と、社会人になってから耳にする機会が増える「TOEIC」
この2つは似て非なる試験です。
たとえば、英検では「物語文や文化紹介」などの問題が出ることがあります。
TOEICでは「出張スケジュールの調整」や「社内メールの読解」が頻出。
「何のために英語を使うか」の視点が根本的に違うのです。
英検は、日本の中高生を主な対象とした資格試験で、文法や長文読解、英作文、面接(スピーキング)といった“総合的な英語力”を測るのが特徴です。
出題される文章も文学的なトピックやアカデミックな内容が多く、どちらかというと「学校英語」の延長線上にあるものになります。
一方、TOEICは明確に「ビジネス英語」をベースにした試験です。
出題内容は、メール、会議、プレゼン、空港やホテルでのやり取りなど、すべてが「仕事で英語を使うシーン」を想定しています。
文法や語彙の使い方もビジネス向けにチューニングされており、社会人としての英語力を測るには非常に適していると言えるでしょう。
つまり、英語をキャリアに直結させたいなら、「ビジネス英語」であるTOEICを選ぶのが理にかなっています。
「TOEICスコアでふるいにかけられる」面接のリアル
英語力をアピールする履歴書や職務経歴書で、面接官が真っ先にチェックする項目の一つが、TOEICのスコアです。
特に、英語を使うポジションや、グローバルに展開する企業であれば、その重要度はさらに高まります。
TOEICスコアは「ビジネス英語力の客観的な指標」として広く認知されており、一目で英語力のレベルがわかる“数字”であるから。
面接官は時間の限られた中で多くの応募者を選別しなければならず、TOEICスコアは判断基準として非常に便利なのです。
実際、「TOEIC800点以上」「TOEIC730点以上」といった条件を応募要項に記載している企業は少なくありません。
しかも、これは単なる「応募条件」にすぎず、面接段階でも再度スコアを見て「この人は業務で英語を使いこなせるのか」を判断する材料にしています。
一方で、英検の級を履歴書に書いても、面接官の反応は「ふーん」で終わってしまうケースが多いのが現実。
特に民間企業では「英検=学生向け資格」という認識が根強いため、「なぜ英検を選んだの?」という逆質問につながることさえあります。
結論として、企業の面接官が英語力を測る際に最も信頼を置くのがTOEIC。
就職・転職市場での武器としての「即効性」を考えるなら、TOEICスコアは最も強力なアピール材料です。
英語を使った職種ではTOEICスコア提示がスタンダード
貿易事務、外資系営業、マーケティング、国際物流、ITエンジニアなど…
英語を日常的に使う仕事において「TOEICスコアの提示はもはや ”暗黙のルール”」になっています。
求人票や転職サイトを見てみると、「TOEIC700点以上歓迎」「800点以上優遇」といった記載が頻繁に登場します。
これは単なる理想条件ではなく、「業務に支障がないかどうか」の実力確認のため。
企業側が求める「英語力の最低ライン」なのです。
特に、社内外のメール対応、会議での英語理解、取引先とのやり取りなど。
これらの実務で英語を使う場面では「聞く・読む」の能力が求められます。
TOEICはその2技能に特化した試験のため、スコアは「現場対応力」の目安として信頼されているのです。
たとえば、外資系企業で英語を使うポジションに応募する場合、「TOEIC850点以上が目安」というラインが設けられていることも少なくありません。
これは英語が「できる」のではなく、「業務で問題なく使える」レベルを求められているということ。
逆に言えば、スコアが提示できなければ「英語ができる」と言っても証明にはならないのが現実です。
英語力が求められる職種において、TOEICスコアの提示は「常識」になりました。
今後、英語を使ったキャリアを歩みたいなら、まずこの「数字の基準」を突破することが第一歩になるのです。
海外出張・駐在における昇格基準にTOEICを採用している企業多数
あなたが今の職場で「もっと活躍したい」「海外で働きたい」と思ったとき、その道を開いてくれるカギのひとつが、TOEICスコアです。
多くの企業が、海外出張や海外駐在、さらには昇進や役職登用の際に、TOEICのスコアを“社内基準”として採用しています。
たとえば「TOEIC800点以上で海外赴任候補に選出」「管理職登用には730点以上が必須」といった形で、スコアがチャンスを得るための条件となっているのです。
しかしなぜ企業はここまでTOEICにこだわるのでしょうか?
その理由はシンプルで、海外出張や駐在では一人で現地の業務をこなす力が求められるから。
現地スタッフとのミーティング、取引先との商談、書類作成や報告書の提出など、すべて英語で対応しなければなりません。
そのため、英語力を「感覚」ではなく『数値』で測定することが必須。
企業にとってTOEICは、個人の英語運用能力を定量的に判断できる最も信頼性の高いツールなのです。
一方、英検はというと、こうした場面で使用されることはほぼありません。
昇格・昇進の条件として英検何級を掲げている企業は、実務英語が求められる現場では極めてまれ。企業の評価軸からは外れていると考えていいでしょう。
つまり、キャリアを上げていく過程でTOEICは避けて通れない『公式パスポート』。英語力をアピールする手段ではなく、「英語を使って仕事をするための前提条件」になっているのです。
グローバル企業は英検を評価しているのか?
「とはいえ、英検の方がスピーキングやライティングもあるし、総合力では上じゃないの?」
そんな声もよく聞きます。
実際、英検はリーディング・リスニングに加えて、スピーキングとライティングの4技能を測定する試験です。
内容もアカデミックで、語彙のレベルも高く、英語力そのものは決して低くありません。
しかしながら、グローバル企業の採用現場で「英検〇級」を評価する文化は極めて限定的です。
たとえば、日系グローバル企業の採用担当者に話を聞くと、「英検準1級以上であれば話のネタにはなるけれど、TOEICのスコアがないと最終的な判断材料にはならない」と言います。
評価基準としては、あくまでTOEICのスコアが基本。
なぜなら、TOEICは日本をはじめとしたアジア圏で広く使われており、グローバルに展開する日本企業では「共通の英語力評価基準」として浸透しているから。
さらに、ある外資系メーカーでは、「TOEIC750点以上が応募条件。英検については特に求めていない」と明記しています。
実際、日系のグローバル企業でも、「TOEIC730点以上が海外業務の必須ライン」と明記しているケースは多くありますが、「英検準1級以上が条件」としている企業はほぼ見かけません。
もちろん、英検を学習すること自体は語彙力や表現力の強化に役立ちます。
ただし、それを履歴書で評価してもらえるかは別問題。
、英検は教育機関での評価には強いものの、企業の採用や昇進の場面では存在感が薄いのが現実です。
つまり、英検は語学力の証明としては優れているが、“ビジネス英語の資格”としてはまだ主流ではない。キャリアアップを見据えるなら、まずはTOEICという“共通言語”で語れるようにしておくのが現実的です。
特にビジネス現場では「わかりやすさ」と「汎用性」が求められるため、グローバル企業ほどTOEICを公式の物差しとして扱っているのです。
【まとめ】TOEICは「使える英語」の証明。キャリアで使うなら迷わずこっち!
英語の資格を取ろうとする人が最初に迷うのが、「TOEICと英検、どっちを受けるべき?」という問題。
ここまで見てきたように、就職・転職・昇進・海外赴任といったキャリアの節目では、TOEICが圧倒的に有利です。
企業が求めているのは、「英語ができるかどうか」ではなく、「仕事で使える英語を、どれだけのレベルで扱えるか」。
その判断材料として、TOEICは非常に合理的なツールなのです。
特にビジネスの場面では、「英検〇級」と言っても伝わらないケースが多く、TOEICスコアのような「わかりやすい指標」が求められます。
しかもTOEICは、一部企業では昇進の条件や海外赴任の基準として使われているほど、キャリアに直結する共通語。
もちろん、英検がダメというわけではありません。
アカデミックな英語力を磨きたい、留学を見据えている、教育系の仕事に就きたい、という目的があるなら英検は非常に有用です。
でも、もしあなたが「英語を武器にキャリアアップしたい」「転職市場でアピールしたい」と思っているなら…
迷わずTOEICを選びましょう。
あなたの未来を切り開いてくれるはずです。
2025/05/22